臨床心理学とは?ーカウンセリング・精神医学などと比べる特徴

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こんにちは!最近全く卒論へのやる気が出ないひぐらしです!

「臨床心理学を専攻しています」

というと

「え、臨床心理学って?」
「カウンセリングのこと?」
「人の心がわかっちゃうの?すごい!」

というような反応をされることが多いです。実際

「臨床心理学とは?」

この質問は難しいです。しかし、臨床心理学の話を進める上で前提となる基本となるため避けて通ることはできません!

そこで、このブログの記念すべき第一回は、そもそも臨床心理学とはなにかに答えるための記事をかきました!なるべく正確に、正確に書いたので、読んでいただければうれしいです!

第一回:臨床心理学とは?ーカウンセリング・精神医学などと比べる特徴→今回の記事!

臨床心理学の定義

面白いほどよく分かる臨床心理学(初学者にもおすすめ!!)からの引用

臨床心理学とは、心理学の一分野であり、人の異常心理や、生活していくうえで問題となる行動の原因を科学的に探求し、その成果をふまえて問題の改善を目指すための学問

この引用文見る人が見たら注目すべきポイントが満載なのです!三つにまとめて説明したいと思います。

1.心理学の一分野であるということ

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臨床心理学は、研究方法や依拠する理論の多くを心理学を足場としています。それに対し、後で比較する精神医学は医学、カウンセリングはほんらい教育学に属するものです。

あたりまえと言われるかもしれないですが、心理学の一部だという視点は、忘れてはいけない大事な点です。

2.対象は異常心理だけではないということ

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異常心理とは、ざっくりいうとうつ病や統合失調症などの精神障害のことです。精神科医などはもぱら、こうした症状をもった患者さん(注)を相手にします。

一方、臨床心理士(臨床心理学を実践する人)の人は、上の引用にもあるように「生活していくうえで問題となる行動」を持つクライアントも対象としています。

ここには、臨床心理学のもつcareの思想が見て取れます。「care」は「cure」と対比されています。「cure」が病気の治療、根絶を目指すのに対して、臨床心理学の目指す「care」とは「支えること」を意味しています。「生きづらさ」を抱えるクライアントが、どのようにその生きづらさを解消できるか、またその生きづらさを抱えながら生きていくかを寄り添いながら考えていくことが、臨床心理士の基本姿勢となります。

3.科学的に探求する

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先ほども述べたように、臨床心理学は心理学の一分野です。心理学が大事にする科学性を臨床心理学も大切にしなくてはなりません。

よく心理テストは心理学なのか問題になります。世の中に出回っている心理テストのほとんどは、心理学の研究方法に則って行われていないという点で心理学ではありません。個人的には心理テストはエンターテイメントとしての価値があるから良いのではと思っていますが。

以上が臨床心理学の基本的な説明です。では次にもう少し踏み込んで、説明してみましょう。

精神医学では、来談した人を精神疾患を持った人として、患者と呼びます。それに対し、臨床心理学は、「患者」という言葉がもつ「治療の対象」というニュアンスを嫌うため、クライアントなどと呼ぶことが多いです。

カウンセリング・心理療法・精神医学は親戚?

「心理療法なんて初耳だよ」と思われる方のために、簡単に説明します。心理療法とは、心理的不適応を抱えたクラインアントに対して心理的な援助を施す治療的働きかけのことです。

フロイトの精神分析が有名ですね。下の例では、精神分析を実践する心理療法家を例にあげています。心理療法を完全に習得するには、ある種弟子入り的に先生について学びを受けることになります。

カウンセリング・心理療法・精神医学と臨床心理学はどのような関係にあるのか。この三つの領域を踏まえた、臨床心理学の立ち位置を考えることで「臨床心理学とは?」という質問にもう少し正確な答えを出せるのではと思います。以下、架空の症例に対する想定される反応をもとに解説したいと思います。

架空の症例:うつ病の症状(抑うつ症状)を抱えた大学3年生・山田さん

カウンセリング:実践する人はカウンセラー

山田さん
大学三年生になって、やる気がなくなって、食欲も全然出ないんです…つらいです。
カウンセラー
うんうん、やる気も食欲も無くなってしまったんですね…それはつらいですね
山田さん
はい、どうして何でしょうか…
カウンセラー
一緒に話しながら考えていきましょうか

カウンセリングの大元をたどれば、心理療法の一つであるロジャーズ(超人的おじさんです)のクライアント中心療法に行き着きます。わかりやすいところで言えば、共感が基本的な技法です。

最初のカウンセラーの「うんうん、やる気も食欲も無くなってしまったんですね…」は相槌を打ちながら、おうむ返しをしています。また、感情が表出された際は共感的な反応をしています。

カウンセラーが目指すのは、クライアントと話をすることで、精神的な自己治癒力を回復することです。「一緒に話しながら考えていきましょうか」と言うように、カウンセラーは答えを与えるのではなく、その人自身が納得出来る答えを探し出すことを援助します。

心理療法:実践する人は心理療法家

山田さん
大学三年生になって、やる気がなくなって、食欲も全然出ないんです…つらいです。

▼△▼△▼△▼一通り話を聞く▼△▼△▼△▼

心理臨床家
そうか、そうか。原因は無意識に沈んでるんだ。とりあえずここに横になって。
山田さん
あ、はい…
心理臨床家
頭に思い浮かんだことをそのまま言葉にしていって。

心理療法は、いわば剣道の何とか流のように様々な流派が存在します。上にあげたのは、フロイトの創設した精神分析という流派に基づく心理療法の実践です。アロマセラピーも広義の意味での心理療法に入ります。

心理療法をするにあたりもちろん話を聞くのですが、その語られた話を理解する方法は、流派によって様々です。共通するのは、自分が依拠する理論だったらどう説明できるか、ということを念頭に置いてクライアントの状況を理解することです。上の例であれば「原因は無意識に沈んでるんだ」というように、精神分析の持つ「無意識」という考え方でクライアントの状況を理解しています。

その中で、もしくはその上で、その流派が持つ技法を実践していきます。上にあげた精神分析の実践では、自由連想法という技法が用いられています。無意識を引っ張り出すためですね。

わかりやすいように流派という言葉を用いていますが、本来は理論やパラダイムと言ったります。

精神医学:実践する人は精神科医

山田さん
大学三年生になって、やる気がなくなって、食欲も全然出ないんです…つらいです。
精神科医
では、診断をしますね。質問をしていきますから答えて行ってください。

▼△▼△▼△▼診断▼△▼△▼△▼

精神科医
これはうつ病ですね。うつ病に効くお薬を出しますので、これを飲んでゆっくり休んでください

精神科医だけが持つ専売特許は、診断をつけれること・薬を処方できること、の二つであるといえるでしょう。診断をつけることのメリット、デメリットについてはまた別の機会に。

精神医学は、精神的な不適応を精神障害というふうに、治療の対象としての「疾患」と理解します。なので、診断をして、その病気にあった薬を処方するという、風邪を引いたら、耳鼻科にかかるというのと同じ流れになります。

それではいよいよ臨床心理学です。今までの説明と比べると理解しやすいと思います。

臨床心理学:実践する人は臨床心理士

山田さん
大学三年生になって、やる気がなくなって、食欲も全然出ないんです…つらいです。
臨床心理士
うんうん、やる気も食欲も無くなってしまったんですね…それはつらいですね
山田さん
はい、どうして何でしょうか…

基本的な話の進め方はカウンセラーと同じですが、臨床心理士は、「なぜクライアントが来たのか」を含め、クライアントが置かれた状況をアセスメント(査定・情報収集)していきます。

臨床心理士
なるほど、あなたのお話から伺うに、大学三年生になり、進路の心配と、サークルの責任者としての重圧があなたにとって重荷になっているのではないかと考えました。進路の心配に関しては、親御さんからの影響も大きいように思いましたので、可能であれば同席面接などで話せる機会をセッティングしたいと思います。サークルに関しては、あなたの考えかたのスタイルがあなたを苦しめているように見てとりました。認知の歪みというのですが、それを良い方向にできるようにトレーニングを行うのが良いのではと思います。いかがでしょうか?あなたの意思を最大限に尊重してこれからを進めていきたいです。

長々と書いてしまいましたが、これが介入の肝となる「見立て」を立てるという行為です。心理療法が、理論を当てはめていたのに対して、ここではクラインアントの話に寄り添って、問題を引き起こしている「仮説」を立てます。そして仮説に基づいて、最適な介入方法を提案します。以上のアセスメント、見立てを立てるときに、参照・参考にするのが、心理療法の各理論や、異常心理学という学問です。また、介入に先立ち、クラインアントからのインフォームドコンセントを取ることも不可欠です。

「仮説」と書きましたが、仮説は、実証されたらGoodですが、実証されなければもう一度作り直さなくてはなりません。そのために、臨床心理士はアセスメントを繰り返し、実践している介入の効果を測定していかなくてはなりません。

まとめると

アセスメント(カウンセリングの技法を使う)→見立て→介入(心理療法に近い)→アセスメントの繰り返しで、クライアントを援助していくということになります。

最後に、精神科医との関わりですが、精神科医とはタッグを組むことが多いです。すみわけとしては、精神科医が診断と薬の処方、臨床心理士が事例のコーディネート、本人や環境に対する介入というように分けられます。これを協働と言います。精神科医との関わりについてはまた別の機会にかけたらいいですね。

いかがだったでしょうか?臨床心理士がどのようなことをしているか少しでも伝われば幸いです。

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