臨床心理学の2本柱ーエビデンス・ベイスドアプローチ(EBA)について

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こんにちは!最近寒くなってきましたね。大学院で臨床心理学を専攻しているひぐらしです!

 

今回の記事では全4回、臨床心理学が大切にしているものは何かということで、英米の臨床心理学の中心となっている、エビデンスベイスドアプローチとナラティブアプローチについてまとめたいと思います。

 

 

世の中には「〜セラピー」のように、リラックスできそうならなんでもかんでもセラピーってつければいいというような風潮があります。よくわかりませんが、オカルティな香りさえしますね。

そういった活動をされている方を全面的に否定するわけではありませんが、中には「それ本当に効果があるの?」と思うような、まがいものが混ざっていることも少なくありません。

 

では、臨床心理学もそういったある種オカルティで魔術的なケアをするものなのでしょうか?そうであったとき、本当に自分が困った際、頼ることにためらいは生まれないでしょうか?

 

ということで今回は、臨床心理学が拠り所にしているエビデンスベイスドアプローチ(あえて日本語訳にすると、証拠に基づく方法ですね)。これを説明していきたいと思います。

 

第一回:臨床心理学の2本柱ーエビデンスベイスドアプローチ→今回の記事
第二回:エビデンスベイスドアプローチの歴史
第三回:臨床心理学の2本柱ーナラティブアプローチ
第四回:エビデンスベイスドアプローチとナラティブアプローチ

 

エビデンスにもとづいた治療

〇〇セラピーの注意すべきところ

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結論から言うと、臨床心理学は「〜セラピー」のようなものとは全く違います!なぜかと言うと、臨床心理学は科学的な根拠に厳密に基づき、来談した人(クライアントと言います:以下クライアント)に最も適切な介入方法を提案するからです。

 

それに対し、「〜セラピー」というものは、もう初めから「〜セラピー」をやることが決まっており、どのような症状を持った人に、どれくらいの効果があるのか、などが明らかにされていないものが多いです。

 

想像してください。あなたは何だか、やる気が出てこず、家から出ることさえも面倒臭くなってきました(抑うつ症状の一種です)。たまたま連絡をくれた友達から、ダンゴムシセラピーというセラピーを受けるとやる気が出てくると勧められました。ダンゴムシセラピー協会というものもあるそうです。

 

その友達に付き添われ、ダンゴムシセラピーを実施するセラピストの元へ訪れました。ダンゴムシを見るとその動き方と、丸まったときの安心感からリラックス効果が得られるとのことなのです。

 

早速、あなたは専用の個室に入って、ダンゴムシをじっと見ることになりました。そのうちあなたは思い始めます。「自分は何をやっているんだ。」「自分は頑張って生きてるダンゴムシ以下なのではないか。」ダンゴムシセラピーの効果とは一体何のことだったのでしょうか?

 

 

ダンゴムシセラピーのまずかったところを2点にまとめました。

 

どんな人に効果があるのか

「〇〇セラピーにリラックス効果があることは実証されています」といったとき、どのような対象の人にそうした効果が実証されているのか、そこまで明らかにされているのでしょうか?

 

今回のダンゴムシセラピーは、うつ病に近い症状を持った人にとってマイナスの効果をもたらすことになりました。ただ、セラピーといったとき、比較的健康度の高い人を対象にすることが多いと思いますの。なので、症状が重いケースの場合は、心療内科・精神科の方へ紹介されるのではないかと思います。

 

本当にベストな心のケアになっているのか

ではさらに「〇〇セラピーは、うつ病の症状に効果があることが実証されています」と言われたら、うつ病になったときに、あなたは安心してこのセラピーを受けることができるでしょうか?

 

一見安心できますが、安心は禁物です。もし、あなたが本当にうつ病の症状を良くしたいと思っているのであれば、〇〇セラピーよりも効果がある介入方法があるのではないでしょうか?

 

現在のところ、うつ病に最も効果的な介入方法は認知行動療法とされています。そのベストのケアがあるにもかかわらず、〇〇セラピーを選ぶのであれば、何か特別な理由がなければいけません。

 

〇〇セラピーが悪いわけではない

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以上のように書いてきましたが、セラピーを否定しているわけではありません。実際アニマルセラピーなどは、実証的研究もなされていますし、侵襲性が低く介入効果が期待できるので、介護施設などにも導入されていたりします。

大切なのは、使い手としてきちんと判断するということです。最初にも述べたように、〇〇セラピーには怪しげなものも存在します。そのセラピーが信用に足るものなのかどうか、それを判断できなくてはいけません。

 

 

長くなりましたが、これは問題提起みたいなものです。伝えたいのは

 

 

臨床心理学は安心できます!

 

 

ということなのです。

論理実証主義に基づく臨床心理学

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エビデンスベイスドとは何かについてまず説明します。エビデンスベイスドとは、直訳通り、科学的根拠に基づいたという意味です。これは論理実証主義という考え方に基づいています。論理実証主義とは客観的に法則や因果関係を明らかにしようとする立場です。

 

つまり、先ほど挙げた、〇〇セラピーの問題点だった、どんな人に効果があるのか、どれくらいの効果があるのか、それが実証された介入方法を実際にクライアントの方に提案するというのが臨床心理学です。

 

レストランで例えるなら、セラピーは個人経営のお店、臨床心理学は大手レストランチェーンという感じです。個人経営のお店は口コミを調べないとちょっと入りづらいですよね。美味しいお店もあれば、「ん?」というお店もある。一方、大手レストランチェーンでは、どのお店でも注文に合う料理が安定して運ばれてきます。口コミを調べなくても安心できます。

 

このように、臨床心理学の質を保証するという目的を果たしてくれる大事な考え方が、エビデンスベイスドという考え方なのです。

 

クライアントの症状や要望に合わせて、科学的に実証された最適な介入方法を提案するというのが、エビデンスに基づく臨床心理学の姿です。

 

伝えたいことは以上なのですが、実はエビデンスベイスドという考え方には歴史的に見るともう一つ大切な意味があるのです。それは次回の記事でご説明いたします。

 

最後までご覧になっていただきありがとうございます!

 

続きはこちら!!

エビデンスベイスドアプローチの歴史

2016.11.02

臨床心理学の2本柱ーナラティブアプローチ

2016.11.03

エビデンスベイスド(論理実証主義)とナラティブ(社会構成主義)

2016.11.05
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