性犯罪者の頭の中 <読書レビュー>

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こんにちは!東京でも雪が降りましたね。みなさま風邪をひかないように。ひぐらしです。

さて今回は読書レビューです。

 

紹介する本はこちら

なかなかヘビーなタイトルですよね。

 

最初に言うと、読後感かなり悪いですよ。「ダンサーインザダーク」並みです(あまり有名じゃない?)。

この記事は、タイトルがちょっと気になって「読んでみようかな」と思った方に向けて書いています。

 

突然ですが、性犯罪者の方って何を考えていると思いますか?

ほとんどの人は「性欲」と答えるのではないでしょうか?しかし、この本はそれを否定します。

 

性犯罪者の頭の中にあるのは性欲ではない

 

どういうことでしょうか?少しだけ内容を紹介しながら書いていきたいと思います。

この本は事例を中心に挙げられているので、必ずしもすべての性犯罪者の方に当てはまるわけではありません。それは本書でも言及されています。

 

基本情報

著者

この本はジャーナリストの鈴木伸元さんの手によって書かれたものです。さすが、ジャーナリストということもあってか、わかりやすくて読みやすい

鈴木伸元さんのジャーナリスト魂といいますか、「実態を明らかにする」という揺るぎない社会的信念があります。そのため、本書では具体的な事例との接触や綿密な調査が盛りだくさんです。

 

扱う内容

主に強制わいせつと強姦についてです。その「誤ち」を犯したしまった人から見た世界というものに立ちながら、その実態に迫っています。

本書は、見たくないし、聞きたくもないと思われる性犯罪を取り上げた貴重な新書です。

 

続いて章立てごとにまとめます。

  • 第1章性犯罪でスキルアップ
  • 第2章性犯罪者の特徴
  • 第3章性犯罪者の実態
  • 第4章性犯罪者は減らせるのか

 

第1章はタイトルから嫌悪感を抱きますね。人間として普通の反応だと思います。この章では、強姦を繰り返し逮捕された受刑者に対するインタビュー調査をまとめています。その中でも「性欲ではなくゲームだ」という言葉は、インパクトがあります。

そうして掘り下げたケースから、第2章・第3章では一般的な性犯罪者に話を広げています。性犯罪の歴史や、具体的な法律、現在の状況などが細かくまとめられています。

「満たされない、経済的に恵まれない、性欲に支配された」というのが一般的な性犯罪者のイメージです。本書で強調されるのは、客観的に見て成功していると見られている人でも犯行に及ぶこと、突発的な性欲ではなく、理性により用意周到に犯罪計画が練られること。という一般的な常識を打ち破る性犯罪者の姿です。

そうした内容を受け、第4章では対策として「予防」や「再発防止」という観点から結んでいます。

 

この本の読みどころ

当事者の視点

先ほども少し述べましたが、当事者の視点というものを徹底的に大事にしています。

その人が何を思い、犯行を繰り返したのか。どのような状況に置かれていたのかがとても詳しく書いてあります。自分が被害者、特に男性の方は加害者にならないためにも、必要な内容になるのではないかと思いました。

コントロール感を得るために強姦した」という発言は、普通の観点から見たらありえない発言です。当然許すことはできない行為、考え方ですがそう言ってばかりでは問題は解決しません。

本書は

 

当事者の視点から、実態をあばくこと

 

そこから、環境的な問題や社会的な問題があることを明らかにしています。この本が教えてくれるのは、あえてタブーに踏み込み当事者の視点から問題を見ることで、これ以上犠牲者を増やさないようにするという大切な考え方なのです。

専門家の観点

この本の特徴はそれだけではありません。

一つの、例を取り上げるとどうしても一般論からは離れて行ってしまいます。

この本は、それを補うほどの文献のレビューがあります。性犯罪に関する入門書としても、ぴったりな内容となっています。

 

最後に

性犯罪はタブー視され、汚物のように扱われています。

テレビ番組で見かける、野次のようなバッシングでは問題の解決につながりません。

 

解決するために必要なのは見つめること。苦しいですが、当事者の視点から問題を見つめることです。

「性犯罪者の頭の中」。私たちとは違う、もしくはつながっているもう一つの世界。それを知ることは世界を広げることにつながります。

新書として出版されたこの本が、そうした世界の一つの窓口になっていることは間違いありません。

一人一人が問題意識を持てるように、そういった願いを込めてレビューさせていただきました。

 

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