【塔の上のラプンツェル】心理学の学生が読み解く!100倍面白くなるラプンチェルの見方

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こんにちは!大学で「心」を専門に扱う学問、臨床心理学を専攻しているひぐらしです!

 

先週、『アナと雪の女王』が地上波初放送されました!そしてなんと今週は『塔の上のラプンツェル』!!太っ腹です!!

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僕はDisney映画が大好きです!!先週は『アナと雪の女王』の放送に合わせて、思いの丈を記事に書きました。そして、予想以上の反響をいただきました。読んでくださった方ありがとうございます!

【アナと雪の女王】心理学の学生が読み解く!100倍面白くなるアナ雪の見方

 

『塔の上のラプンツェル』も大好きな映画です!ということで今回の記事でもその魅力について書いていきます!!ぜひご覧になる際のお供に!

『Tangled』=絡まりあう

日本語の題名は『塔の上のラプンツェル』ですが、元々は『Tangled』という題名でした。日本語に直すと「からまりあった」ですね。

 

それでは何が絡まりあってしまうのでしょうか?二つに分けて説明します。

 

と、その前に物語の鍵となる「ゴーテル」について少し考えてみましょう。

 

「毒親」と言われないために

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最近「毒親」という言葉が流行っているようです。あまり良い響きの言葉ではないので、言い回しが嫌いな方もいらっしゃると思います(僕もあまり好きではありませんが、説明のために用います)。

 

「毒親」はもともと、アメリカの精神医学者が書いた本の題名から来ているそうです。その題名とは、『Toxic Parents』です。そのまんまですね(ちなみに、wikipedia情報なので悪しからず…)。「毒親」とは、その言葉の通り、子供に毒を振りまく親という意味です。

 

物語に出てくるゴーテルは、「ラプンツェルの母親(仮)」としての役割を演じています。ゴーテルは、ラプンツェルを塔に監禁して、その能力を独り占めにします。

 

ゴーテルの振る舞いは、まさに「毒親」ということになるのでしょう。実際に、「ゴーテル 毒親」と検索してみると、たくさんヒットします。

 

ゴーテルの行動は、親として残念なものがあることは僕も同意します。残念な点は3つあります。

 

  • 監禁という虐待
  • 子供の話を聞かない
  • 条件付きの愛

 

虐待はもう言うまでもないですね。これは子供にとって消しがたいトラウマになることもあります。

 

子供の話を聞かない。やってしまっている方、多いのではないでしょうか?

外に出たいラプンツェルと、中に閉じ込めたいゴーテルの言い合いのシーンは印象的です。子供の声を聞こうとしない親も、子供にとっては苦しい存在になってしまいます。

 

そして最後の条件付きの愛。これは、「〇〇なあなたが好き」というように、その子供を「〜なら」「〜すれば」という条件のもとで愛するということです。例えば

 

  • 良い成績をとるあなたが好き
  • ママ(パパ)のいうことを聞くあなたが好き

 

などなどですね。

 

ゴーテルはラプンツェルを愛していたか?

 

この質問に「Yes」と答える人も多いと思います。確かに、ゴーテルはラプンツェルを可愛がっています。

 

しかし、ゴーテルが愛しているのは、「ラプンツェル」ではなく、「奇跡の髪を持つラプンツェル」なのです。これが条件付きの愛です。結局大事なのは、自分ということなんです。

 

このような、親としてまずいゴーテルの行動は物語に大きく関わってくるのです。

 

 

コラムー「毒親」って言わないで

webやSNSで「毒親死ね」などと言っている人を見かけます。確かに、「毒親」とされる人の行動は問題です。

しかし、「毒親」とされる人も苦しみを抱えていることを忘れてはいけません。僕が専門としている臨床心理学では、むしろそうした親の存在は問題解決のための重要な要素の一つであると考えます。

「悪い」といって非難ばかりしていては何も解決しないのです(過去の記事:【レビュー】きみはいい子ー虐待に向き合う映画)。

 

 

絡まりあう2つの感情

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絡まり合っているものの一つが

 

ラプンツェルの気持ち

 

です。

 

お母さん(仮)であるゴーテルを悲しませたくないという気持ちと、外に出て灯ろう飛ばしを見たいという気持ちの間で揺れ動きます。映画ではコミカルに描かれていますが、とても大事なところです。発達心理学から説明します。

 

『塔の上のラプンツェル』という映画は

 

ラプンツェルのアイデンティティの発達

 

と見ることができます。

 

アイデンティティ、つまり「自分がどうありたいか」というものは親との衝突から生まれます。

アイデンティティがある程度発達してくると、親から押し付けられたルールに、疑問を持ったり、反発したりします。これが俗に言う、反抗期になるわけですね。この反抗期を経ることで大人の階段を上っていきます。

 

しかし、ラプンツェルの年齢は18歳です。反抗期にしては遅いですね。なぜでしょうか??

 

 

「ディズニー的に、14歳〜16歳の女の子が年上の男とキスをして結婚するのはまずいから」

 

 

確かに、それが本当の理由かもしれません笑 でもそれじゃつまらない!あえて理由付けします。

 

ラプンツェルに遅めの反抗期が来た理由。それは

 

他の人との関わりがなかったから

 

親から押し付けられた「古いルール」に疑問を持つということは、それと比較する「新しいルール」があるということです。一般的に、この新しいルールは、友達や先生などと関わる中で育んでいくものです。成長していく中で、この「新しいルール」と親からもらった「古いルール」がぶつかるんですね。アイデンティティの形成において、他の人との関わりが大事であるということに関しては、『アナと雪の女王』に似ている部分があります。

 

ラプンツェルは、塔に閉じ込められていたためこの「新しいルール」を身につけるのが遅くなったわけです。自分の心の声がどんどん大きくなっていき、それがあふれた結果、ゴーテルから押し付けられている「古いルール」に反発しました。

 

物語をこのように見てくると、私たちの生活とも繋がっていることがわかり、より面白くなってくると思います!

 

絡まりあう2人の物語

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この映画のヒーローは「フリン・ライダー」、本名「ユージーン・フィッツハーバード」。ヒロインは、いわずもがな「ラプンツェル」ですね。

 

この二人、共通点があります。それが

 

安全基地を持っていないこと

 

です。この共通点から、二人の物語は絡まりあいます。

 

安全基地は心理学の用語です。ざっくり言えば「ほっとする場所」のことです。たとえ何か失敗しても、無償の愛で抱きしめてもらえる場所のことです。多くの人は、これが家族だったりするわけです。家に帰るとほっとします。

 

しかし、「フリン(=ユージーン)」と「ラプンツェル」の2人はこの安全基地を持っていませんでした。

 

  • 「毒親」に育てられたラプンツェル
  • 孤児院で育てられたフリン(=ユージーン)

 

2人には帰る場所がなかったのです。ラプンツェルが受け取っていたのは、「条件付きの愛」で、「無償の愛」ではなかったことは最初に説明した通りです。

 

だからこそ、2人は惹かれあったわけです。お互いが、安全基地になったわけです。これが恋人の始まり、つまり新しい家族の始まりです。

 

言葉遊びですが、安全「基地」ということで、「守りあうこと」が2人の夢になったわけです。こうやってみてくると、灯ろう飛ばしのシーンはより感動的に見えてきます。ディズニーランドで、上映される『ワンス・アポン・ア・タイム』でもキービジュアルとして使われている名シーンです。

 

 

コラムーなんでゴーテルはティアラを渡したのか?

物語の途中、本当なら捕まえることのできたラプンツェルを、ゴーテルが逃してしまうシーンがあります。「フリンを試してみろ」と捨て台詞を吐いて消えてしまいます。なんでわざわざこんなことをしたのでしょうか?

それは、ラプンツェルの新しくできた安全基地を壊すためですね。フリンがラプンツェルを裏切ったことになれば、せっかくできた「帰る場所」がなくなってしまいます。そうすると、仕方なく、もう一つの「帰る場所(仮)」=ゴーテルの元に帰らざるをえなくなります。

思うに、マインドコントロールはこの「安全基地の穴」に漬け込んでいるのではないかと思います。今話題になっている、韓国の大統領も、ほっと休まる場所が欲しかったのかもしれません。

 

 

おまけーラプンツェルのビギナーズマインド

Tangled-Original Soundtrack

『塔の上のラプンツェル』という映画が伝える大切なことが、もう一つあります。それが

 

ビギナーズマインドの大切さ

 

です。

 

ビギナーズマインドとは、今メンタルヘルスで話題の「マインドフルネス」で使われている言葉です。マインドフルネスとは「今ここ」に意識を集中させている心の状態のことです。言い換えるなら、あるがままを大切にするという態度ですね。そうした心の状態に至る方法であったり、考え方をひっくるめて「マインドフルネス」と言うこともあります。

 

そのマインドフルネスで使われるビギナーズマインドとは「初心」のことです。何をするにしても、初めてそれに向き合うような心構えでいるということです。

 

 

ラプンツェルの行動にこの「ビギナーズマインド=初心」がよく表れているのです。

 

 

例えば、酒場で凶悪そうな男たちと出会うシーンです。普通なら萎縮してしまいますが、ラプンツェルは「あなたたちにだって夢はあるでしょ?」と問いかけます。

 

偏見にとらわれないこの姿勢こそが「ビギナーズマインド」です。これは、約18年もの間閉じ込められていたからこそかもしれません。

 

普通、私たちは強面な格好をした人に出会うと「絶対悪いやつだ」とか「どうせ夢なんてないんだろう」と思ってしまうことがあります。これは、過去の自分の経験や偏見でその人のことを見てしまっているからです。

 

これでは、「その人そのもの」を見ることができなくなってしまいます。過去の記憶と偏見でがんじがらめになってしまうのです。あるがままとはかけ離れています。

 

ラプンツェルには、偏見がありません。だからこそ、「その人そのもの」を見ることができるのです。

 

フリンのことを本名の「ユージーン」で呼んでいるのはラプンツェルだけです。フリンの本当の姿を大切にしているんですね。私たちも見習いたい「ビギナーズマインド=初心」の考え方です。

 

 

 

もしかしたら、本当に絡まり合っているのは、私たちの頭の中かもしれません。偏見や過去の出来事から離れて、ラプンツェルのように、ありのままの姿を大切にしたいものですね。

 

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