【おおかみこどもの雨と雪】ただの「おとぎ話」じゃない心理学的な5つの理由

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こんにちは!大学院で臨床心理学を専攻しているひぐらしです!昨日は卒業式でした!そして昨日中に更新しようと思っていたのですが、記事をアップできませんでした笑。

 

昨日(2017年3月24日)の金曜ロードショーは細田守監督作『おおかみ子供の雨と雪』でした!!

 

おおかみこどもの雨と雪(本編1枚+特典ディスクDVD1枚)

 

以前から映画を心理学的に読み解くという記事を書いているのですが、ありがたいことに好評をいただいています。その流れに乗っかり今回も『おおかみ子供の雨と雪』をちょっと心理学的に解説していこうと思います!!

おおかみ子供の子育てからわかる5つの真実

『おおかみ子供の雨と雪』は、主人公の「花」「おおかみ男」との間に授かった二人の子供を育てていく親子愛と成長を描いた映画です。

 

その中には、細田守監督や製作陣が込めた

 

 

子育てに関する想い

 

 

が散りばめられています。『おおかみ子供の雨と雪』は単なる「おとぎ話」ではなく、子育てをめぐる現実が浮き彫りになっているのです。今回の記事ではそれを掘り起こしていこうと思います。今お子さんをお持ちのかたもそうでない方も、一度達黙って「子育て」を考えるきっかけにしていただければと思います。

 

1. ネットは発達したけど、子育てはしにくいまま

おおかみ男である夫を亡くした「花」は、シングルマザーとしてやんちゃ盛りの「雨」と「雪」を育てます。

 

しかし、都会での子育ては困難を極めます。二つの理由があります。

 

まず第一に、子育てをするための知識が足りないということです。

 

おおかみ子供ということもあり、「育てづらさ」は他の子よりもあったかもしれませんが、花はどうやって子育てすればいいか困ってしまいます。

 

 

調べても欲しい情報はなかなか見つかりません。誰に頼ることもできない中、子育てに奮闘します。

 

 

 

私たちの生活は豊かになりました。そして、今あなたが見ているスマホを通じて、たくさんの人と繋がり、たくさんの情報を得ることができるようになりました。

 

 

 

と思っている方も多いと思います。しかし、本当に必要なつながりは作れているのでしょうか?本当に必要な情報は届けられているのでしょうか?

 

いま、子育てをうまくできない親が増えていると言われています。それは核家族化が進んだからとも、地域的なつながりが少なくなったからという指摘もなされています。

また、本やネット上いろいろな情報が飛び交う中、本当に必要な情報はむしろ見つけにくくなってしまっています。本来であれば、お母さんやおばあちゃんなどの身近な子育て経験者に聞くことがベストなのですが、現代社会ではそれが難しくなっています。(現在この課題を解決するために自治体で様々な取り組みがなされています)

 

 

そして、子育てが難しくなった理由はもう一つあります。

 

それは周りの人の無理解です。

 

『おおかみ子供の雨と雪』では、近隣の人が赤ちゃんの夜泣きにクレームを入れるシーンが印象的でした。

 

住宅が密集していること、ストレス社会になっていることももしかしたら要因かもしれません。しかし、大きいのは子育てに対する知識のなさではないでしょうか?

 

 

「夜泣き」なんてするでしょう。お母さんのせいではありません。

 

 

同じことの繰り返しですが、私たちの生活は豊かになり多くの情報にアクセスできるようになったと信じられています。しかし、少々無駄な情報ばかり溢れすぎていないでしょうか?(こんなブログを書いているお前が言うか!!??という批判はなしにして…)

 

もっと大切な知識が伝わるようにするにはどうすれば良いか。それはこれからも考えていかなくてはならない課題だと思います。孤立した親子の問題は虐待の増加にも関連しているのです。子育ての問題を社会の問題として捉える視点が大切です。

 

2. たくさんの敵よりもたった一人の味方

UDF(ウルトラディテールフィギュア)「スタジオ地図」作品 雨[おおかみこどもの雨と雪] ノンスケール PVC製塗装済み完成品

映画のワンシーンで、5歳になった男の子の「雪」が「おおかみはいつもみんなに嫌われている」と心配になって呟く場面がありました。

 

それに対して母親の花は「みんなが敵になってもお母さんは味方だよ」というような温かい言葉をかけてあげています。

 

この母親の花の役割を安全基地といいます。安全な帰る場所と理解していただいていいです。

 

 

どんなに敵を作っても、自分には味方がいる。愛してくれる人がいる。そう思えることが人を強くし、成長させるのです。子供にとって家族が大事なのは、こうした成長のための愛着形成がなされるからです。

 

 

あなたにとって大切な人は、安全基地になっていますか?そして、あなた自身が安全基地になれていますか?

 

 

3. 子供の人生に干渉する親ほど自分のことが好き

主人公の花が、ある種の理想の親だとすると、それと対照的に描かれているのが、転校生「草平」のお母さんです。

 

花の娘である「雪」は、とっさに出てきてしまった「おおかみ」によって草平を傷つけてしまいます。

 

 

そうなると大変。教育ママ然とした草平ママがプンプンするわけです。確かに大きな怪我ですが、子供を差し置いて過剰な反応をするわけです。

 

 

と、ここまでなら普通のママでもする反応かもなということで終わるのですが、問題は次です。

 

 

草平のママは再婚します。そして、草平には見捨てられ感が生まれてしまいます。この行動は、草平ママの子供への無配慮と言えます。

 

では、なぜ草平のことを過剰と言えるまでに気にかけていた草平ママがそうなってしまったのでしょうか?それは

 

 

最初から、自分のことしか考えていないから

 

 

なんです。

 

子供のことに過度に干渉してしまう親は、自分のために子供の人生を操作してしまいがちです。

 

よく子供のやりたいことよりも、親の希望を優先させる人がいます。もしくは、子供の世話をする良い親として、子供を利用する人もいます。

 

子供の人生を自分のもののように操り満足を得ること。これは一般に共依存と言われる行為です。必要以上に子供の世話をしたり、自分の社会的な評価のために子供を学習塾に通わせるなどですね。モンスターペアレンツと呼ばれる人たちも広義の意味の共依存に当たるのではないかと思います。

 

それでは、共依存の対象となった子供がどのような「生きづらさ」を抱えるか、次の章で説明します。

 

共依存をしてしまう親も苦しみを抱えています。犯人探しをしていては問題は解決しないことは強調して伝えておきます。

 

4. 子供が自分の世界を持つためにすべきたった一つのこと

おおかみこどもの雨と雪(2)<おおかみこどもの雨と雪> (角川コミックス・エース)

「雨」と「雪」のお父さんである、「おおかみ男」。もう死んでしまっているのですが、花の心の中で大人になるとはどういうことか、答えています。

 

それは

 

自分の世界を持つこと

 

です。自分の世界を持つことが大人になった証なのです。

 

「雨」は最終的には山の主になることを選びます。「雨」は10歳と幼いため、母親の「花」は引き止めます。しかし、「雨」の意思は固く、山でたくましく生きる道へ進みました。これが自分の世界をもつということです。

 

しかし、先ほど述べたように親が子供の人生に干渉してしまう(共依存)と、子供が自分の世界を持つことが難しくなります。親の世界に取り込まれたり、世界を持つことができてもそれが親の世界だったりします。

 

 

自分の世界を持てないまま、大人になってしまった人を

 

アダルトチルドレン(AC)

 

と言います。心理学の中ではそこまでメジャーな概念ではありませんが、そういった話に敏感な方はTwitterのプロフィールに自分でACと記入していたりと拡がっている言葉です。

 

アダルトチルドレン(AC)は、もともとアルコール依存症の親を持つ子供(チルドレン)が大人(アダルト)になったことを指して使う言葉です。特徴的な問題を抱えることから、アメリカで提唱されるようになりました。

 

注意していただきたいのが、アダルトチルドレンには「子供っぽい大人」という意味はないのでそこらへんは勘違いしないでください。

 

今となっては、虐待や親の過干渉を受けて子供時代を過ごした人を表す言葉としても使われることがあります。ここで先ほどの話と関係してくるのです。

 

 

このアダルトチルドレンの方は自分の人生を生きることができずに苦しんでいます。人を信じることができなかったり、親から受けた仕打ちを思い返しては自分の生きたいように生きることができなくなってしまいます。人の人生を生きている間は本当の意味での幸せを感じることは難しくなります。(過去の記事:自分の人生を生きないと病気になるのか?

 

それに対処するため、自分自身でアダルトチルドレン(AC)と名乗ることによって自分の世界を持つための一歩を踏み出すのです。「自分はACだ、私が悪いわけじゃない」という自己表明なんです。だからこそ、TwitterでACだと自己開示しているんです。

 

 

それでは私たちがこうした苦しみを子供に残さないために何ができるのでしょうか?

 

答えは

 

 

何も期待しないこと

 

 

花が最後に雨に投げかけた「生きて」という言葉だけが親の伝えるべきことなのかもしれません。

 

5. やっぱり人間の心って不思議

しかし、共依存を受けた草平は立派な自分の世界を持っていますね。どうしてでしょうか?

 

 

また、「人」と「おおかみ」、二つのアイデンティティを持つ雨と雪。二人は別々の道を歩んでいくことを選びます。どうしてそのような違いが生まれたのでしょうか?

 

これは考えても答えはありません。いろんな説明の仕方ができるでしょう。

 

 

『おおかみ子供の雨と雪』を見て思うのは、人間の心の不思議さです。それがやっぱり人間らしさなのかもしれません。

 

その難しさに向き合うのが心理学。それを学ぶのが僕の世界です。

 

 

 

皆様も自分の世界を大切に生きてください。応援しています!

最後までご覧いただきありがとうございました!!

 

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