臨床心理学の大学院生が「依存症」をイラスト付きで説明しました

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こんにちは!大学院で臨床心理学を勉強しているひぐらしです!!明後日からいよいよ新学期です。ワクワクします!

さて今回は精神障害の中でもかなり一般的な「依存症」についてイラスト付きでわかりやすく解説したいと思います。アルコール依存症、覚せい剤、ギャンブル依存症(ギャンブル障害、病的賭博)、行動嗜癖の共通点となる基本的な知識となっています。

 

あなたの周りに、「もしかしたらこの依存症かも?」と思うような方がいらっしゃったら参考にしてみてください。また、このような症状に苦しむ家族や友達がいないか考えてみましょう。

アルコール・覚せい剤・ギャンブルなど依存症の6つの共通点

依存症と聞くと「アルコール中毒」や「覚せい剤」、もしくは「ギャンブル依存」「ネット依存」という言葉を連想するのではないでしょうか?これらの依存には、共通する性格があります。依存症の特徴となるものなので、ぜひ理解していただきたいです。(参考:ギャンブル依存とたたかう 著帚木蓮生 新潮選書)

 

1. ある物質や行動への渇望

依存症渇望

依存状態になると、それが「喉から手が出るほど欲しい」という状態になります。例えば、ビールだったら何をしててもビールが欲しくてたまらないという状態になるわけです。

 

これは、ビール・覚せい剤などの具体的な形があるものを摂取することに限りません(ちなみにこれを物質依存と言います)。買い物やギャンブルなどの「行動」もこのような、依存につながることがわかっています。「買い物に出かけたい!」「パチンコに行きたくてしょうがない!」という状態ですね。専門的にはこれを行動嗜癖と言います。

 

2. そうした物質の摂取や行動の制御困難

依存症制御困難

のどから手が出るほど欲しくなったらどうなるでしょうか?そうです、それを抑えきれなくなってしまうのです。

 

仕事が終わり、ふらふらと家に帰る途中に居酒屋さんがあります。アルコールを飲みたくてたまらない。居酒屋に入ってしまいますよね?依存状態になっていると、その物質や行動を求める気持ちが強くなるため、抑えるのが難しくなります。

 

3. 離脱症状

依存症離脱

世間では「禁断症状」と言われることが多いですが、専門的には離脱症状と言います。

 

これは、依存している物質や行動を中止した時に出てくる厄介な症状です。落ち着かなくなったり、眠れなくなったりします。

またイラストに描いたように、アルコール依存や覚せい剤の依存の場合などには、腕に虫がはっているような感じがすることがあります。そして、冗談ではなく「小さなおじさん」が見えることがあるそうです。離脱症状を起こすと幻覚が見えるようになるのです。

 

4. 耐性

依存症耐性""

最初は少しの量でも満足できていたのものが、繰り返し使い続けていると「もっと!もっと!」という状態になります。これは、その物質や行動に耐性というものができてくるからです。

耐性とは、物質や行動を繰り返すことにより、それの効果が薄れていくことを指します。

 

最初はビール一杯で満足していたものが、ビール一杯では最初の快感を味わえなくなってくる。そうすると2杯3杯と増えていきます。そして最終的には朝起きてから寝るまでアルコールを摂取するというアルコール依存症の状態になってしまうのです。

 

覚せい剤にもこの耐性があります。なぜ覚せい剤のディーラーが儲かるかというと、覚せい剤依存症の人がどんどんのめり込んでいくからです。彼らからしたらいい金づるを育てているという感覚なのでしょう。

 

5. その物質摂取や行動以外に対する関心の低下

依存症関心低下

依存症になると頭の中が、そのことでいっぱいになります。

 

  • 身なりとかどうでもいいから酒だ!
  • 仕事があるけどパチンコに行こう
  • 飯はいらないから覚せい剤

 

優先順位のトップが、その物質や行動になってしまうのです。こうなるともう生活は破綻していると言っても過言ではないです。

 

6. その物質や行動に起因する障害があるのにもかかわらず、摂取や行動を継続する

依存症継続

依存症になると周りが見えなくなります。めちゃくちゃたくさんの借金ができているのにそれを続けてしまう。

家族が辞めて欲しいと泣きついているのに、それにおかまいなし。

 

依存症になってしまえば、自分や周りの人の生活が破綻していても関係ありません。頭の中にもそのことしかありませんから、自力でよくなることはかなり難しいです。

 

以上が依存症に共通している6つの特徴です。大体のイメージをつかめていただけたのではないでしょうか?!

 

ポイントを2つに整理しました

というように詳しく書いてきたのですが、大まかに分けると2つの症状に分けられます。これを覚えていただければと思います。

精神依存

精神依存

依存対象に

 

心が支配されている

 

状態です。それをせざるを得なくなっています。

 

家族の方が「もう絶対にしないで泣」と本人に約束させても、実際のところあまり効果はありません。なぜなら、心が離れて行ってしまっているからです。短期的に効果があったとしても、テレビのCMや街の看板で見てしまうと再び手を染めてしまいます。

 

依存症になるとなにより辛いのは家族です。そして、省みることができなくなる本人も苦しいのです。依存症になると自分や家族の気合いだけでは改善は期待できません。

 

身体依存

身体依存

依存症は

 

脳が壊れている

 

とよく言われます。物質や行動を乱用することで脳が正常に機能しなくなってしまっているのです。こうなると、手の震えがとまらなくなったり、夜に眠れなくなったりします。これらは自分でコントロールすることができません。

 

そして先ほども描いたように、幻覚なども見えます。これを防ぐために再び依存してしまうのです。まさに蟻地獄にはまった状態なのです。

 

依存症の治療

とても怖い精神障害だということがわかりました。依存症に治療は迷わず

 

お医者さんに行ってください

 

これしか答えはありません。幸いなことに現在の医療で依存症は改善できます。依存症は素人のキャパシティを優に超えているので、専門家の手に委ねるのがベストな選択です。

 

どのような治療や支援がなされるか説明する前に、依存症になる原因を考えます。そうすることで、改善のヒントが見えてくるからです。

 

そもそもなんで依存症になるのか?

大きく三つで分析してみました。

① 依存性が強い

依存性が強いということは、脳に対する影響が大きいということと関連します。覚せい剤などは、脳に直接影響し、ドーパミンという快楽物質を出させます。これが依存の引き金となります。

その人が持っている素因(素質)によると思いますが、アルコール・ギャンブルや買い物などはそこまで依存性が強くないため、一回やったらぐらいでは依存にはなりません。それに対し、覚せい剤は一回手を染めてしまうと離れられないことが多くあります。

 

② 繰り返し使ってしまう

依存性がそこまで強くないものでも繰り返すと依存になってしまいます。先ほども書いた「耐性」ができてしまうと、もう悪循環です。

 

③ 逃げ出したい問題がある

  • 会社の上司に理不尽に怒られた
  • 彼氏彼女に振られた

 

などの辛い出来事。そんな時に「酒を飲んで忘れよう」と思ったことが、あなたもあるのではないでしょうか?僕はあります笑

こうした辛い状況に身をさらされていると、そこから逃げ出したくなります。実際のところ錯覚にすぎないのですが、お酒を飲むと楽になる気がします。それを慢性的に繰り返していくとずぶずぶと依存症という沼にひきづりこまれていきます。

 

このような理由から依存症になってしまうと

 

本人の意思ではどうしようもできない

 

のです。「お酒・タバコを止められないのは気持ちが弱いからだ!」というのは間違っています。気持ちがあっても辞めるに辞めれないのです。

 

そこで、医療機関がその気持ちをサポートしてくれるわけです。

 

依存症の人を支援する

依存症の治療では入院治療が一般的です。入院し、医者のコントロールの下でその物質や行動を減らしていきます。基本的には薬物治療ですね。先ほど挙げた①や②に対応していますね。

 

それに加えて臨床心理士などが実践する、社会支援などを含む統合的なプログラムも行われます。これが③に対応しています。いくら、お医者さんがその物質や行動を減らしたとしても大元の問題を解決しない限り、同じ依存を繰り返してしまいます。

 

また、依存症の治療に特徴的なのが、自助グループです。自助グループは同じ症状を持つ人や依存症を克服した人たちが集まり、自分たちの問題を解決しようする集まりです。

この自助グループには家族の集まりもあります。依存症の家族も疲れ切っています。そうした人たちが集まって、苦しみを共有したり情報を得たりする有意義な場となっています。

 

病院の中や外で自助グループが開かれているので、お医者さんに勧められたら参加するのが良いですね。

 

 

最後に一つメッセージを書いて終わりたいと思います。

 

依存症はやめようと思っても止めることのできない精神障害です。もし「気合でなんとかなるでしょ?」という考え方を持っていたらそれを捨ててください。

 

そして矛盾するかもしれませんが、依存症は本人の辞めたいと思う気持ちが大切です。辞めたいと思い、専門の機関の力を借りながらでないと解決しない問題なのです。

 

 

この記事が、「依存症」に苦しむ人のお力になれたら幸いです。

最後にアルコール依存かどうかをセルフチェックできるサイトを載せておきます。きになる方は是非使ってみてください。

アルコール依存症セルフチェック

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