自閉症スペクトラムの人から見た世界②ー中枢性統合理論編

スポンサーリンク

こんにちは!大学院で臨床心理学を先行しているひぐらしです!大学院めちゃ忙しいです!久しぶりの投稿です。

 

自閉症スペクトラムの人の特徴を説明する記事をいくつか書かせていただいています。

 

全体的なお話

「アスペルガー症候群」という言葉はもう使いませんー自閉症スペクトラムとは

2017.04.22

 

自閉症スペクトラムの人から見た世界シリーズ

自閉症スペクトラムの人から見た世界①ー心の理論編

2017.05.01

 

ということで今回は、「自閉症スペクトラムの人から見た世界」の第二弾、「中枢性統合」に関するお話です。

 

ぜひ最後まで読んで、自閉症スペクトラムの人の世界観を理解し、支援に役立てていただきたいです。

自閉症スペクトラムと中枢性統合理論

心の理論だけでは説明できない

自閉症スペクトラムの人から見た世界シリーズの第一弾では、「心の理論」という観点から自閉症スペクトラムの人の考え方の特徴を説明しました。

ざっくり言うと、自閉症スペクトラムの人は、人の気持ちや自分の気持ちを理解するのが苦手です。

 

しかし、自閉症スペクトラムの人の特徴は、コミュニケーションの難しさだけではありません。

 

自閉症スペクトラムの人には、もう一つ特徴があります。それが、こだわりや思考の柔軟性に問題があるということです。

 

それをもっと具体的に言うと、下の絵のように、同じ行動や遊びに熱中したり、一つの分野の物知り博士になったりするということです。

自閉症中枢性統合

 

前回の記事で紹介した「心の理論」では、この「こだわり」という特徴を説明しきれていません。ということで、それを説明するのが、中枢性統合理論なのです。

それではそのもそも中枢性統合とは?といういところから説明していきましょう!

 

コラムー常同的行動

自閉症スペクトラムの子供などによく見られる、繰り返し同じことをする行動を常同行動と呼びます。その場でくるくる回ったり、同じビデオを何回も見たりします。刺激が多い、この世界の中で繰り返し同じ刺激を自分に与えることで落ち着きを得ているという説があります。

 

 

中枢性統合とは

それでは、中枢性統合について説明したいと思います。

 

 

突然ですが、下の写真は何の写真だと思いますか?

 

 

 

 

 

 

 

自閉症中枢性統合

 

 

 

 

 

 

 

 

多くの人は、「水やりをしている写真」と答えると思います。例にもれず僕もそう思いました。

 

しかし、自閉症スペクトラムの人の中には、このように見ない人もいます。例えば「じょうろ」「木」「ネイル」などの写真の一部分に反応することが多いのです。

 

 

なぜこのような違いが生まれるのでしょうか?実は、そこに中枢性統合が関わっているのです。

 

 

中枢性統合とは、全体の状況を総合して現象を理解する能力を表しています。実は、自閉症スペクトラムの人はこの中枢性統合が苦手だったり、部分的な理解を好む傾向があります。

 

 

先ほどの写真の例で、「水やり」と答えた人の頭の中では無意識にこんなことが考えられています。

 

「木があって、じょうろを持った手が近づいている。じょうろの口から水みたいなのものが出ている。これを全部踏まえると水やりをしているところに違いない。」

 

中枢性統合が弱い自閉症スペクトラムの人は、こうした全体的な理解をするのではなく、部分を細かく見るのです。これが自閉症スペクトラム特有の、こだわりや注意の限局につながっているとされています。

 

全体を見るより、部分を見るほうが得意(認知傾向の偏り)

自閉症中枢性統合

 

このように書いてきましたが、決してネガティブな意味で、自閉症スペクトラムの人の特徴を書いているのではありません。「中枢性統合が弱い」というのは、欠点ではなく、「認知の特徴」であるということを強調したいです。

 

 

つまり、自閉症スペクトラムの人には

 

世界の見方に癖がある

 

ということなんです。それ以上でも以下でもありません。

 

 

私たちは、一般的に「森を見て、木を見ず」という処理をしています。細かいところは気にせずに、全体を見て状況を理解しようとするのが得意であり、それを好む傾向があります。それは多くの場合、役に立つのですが、錯覚や「系統的バイアス」というものに引っかかったりしてしまう厄介なものでもあるのです。

 

自閉症スペクトラムの人は、その逆で「木を見て、森を見ず」という処理をする人が多いのです。全体よりも部分を集中的に観察します。それは、自閉症スペクトラム人の欠点ではなく、強みにもなることがあります。本を一回読んだだけで、細かいところを驚くほど覚えていたり、一度見た風景の細かいところまで描写できたりします。

 

そのような、「部分に着目する」というところが、自閉症スペクトラムの人に特徴的な「こだわり」につながっていると考えられています。これが中枢性統合理論というわけです。

 

 

最後にー中枢性統合理論に基づいた支援

自閉症中枢性統合

 

私たちの住む世界は、マジョリティである「自閉症スペクトラムの人ではない人」のためにデザインされた世界です。そのため、そうした自閉症スペクトラムの人の特徴が不適応になってしまうことがあるのです。(関連する記事:サイレントマジョリティと「障害」ー見えない境界線

 

例えば、私たちが普段話すようにたくさんのことをいっぺんに伝えるようなごちゃごちゃした話し方は、自閉症スペクトラムの人には伝わりづらいです。また、刺激や情報が多すぎる場所にさらされると、何に注目していいのかわからずパニックになってしまう人もいます。

 

自閉症スペクトラムの知識がないと、周りの人もパニックになってしまいます。しかし、今回説明した「自閉症スペクトラム人は全体を見るのが苦手」ということを理解していれば、「なぜパニックになるか」「どうすれば良いか」がわかってきます。

 

 

人の数だけ支援はあります。その中でも一つ提案できるのは、情報整理して順番にゆっくり伝えるということです。

 

自閉症中枢性統合

 

このようにすることで、全体を見ることが苦手な人でも、今何が求められているのかすんなり理解することができるようになります。特に子供の療育ではこうしたことの積み重ねが、生きづらさの解消に大きく役立ちます。

 

これから発達障害を勉強したいという方に

以上、自閉症スペクトラムの人から見た世界シリーズの第二弾をお届けしました。これは、ほんの入り口にすぎません。

 

おすすめの本や記事を貼っておきます。最後までご覧いただきありがとうございました!!

 

【レビュー】発達障害の僕が輝ける場所を見つけられた理由:栗原類

2017.02.25

 

[良書] 興味がない人にも読んでほしい発達障害の本

2016.12.03

 

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です