【知的障害】症状から診断、支援に利用できる施設まで解説

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こんにちは!大学院で臨床心理学を勉強しながら、心理学やメンタルヘルスについてのブログを書いていますひぐらしです。

 

このブログでは専門的な知識がない人でもわかりやすいように、精神障害(心の病)や発達障害の知識をまとめています。今回は「知的障害(正式には知的能力障害/知的発達症/知的発達障害)」についてイラスト付きでわかりやすく説明していきたいと思います。

 

知的障害の症状(精神障害のマニュアル|DSMの基準)

知的障害を含む精神障害にはDSMという診断のためのマニュアルがあります。それを参考にして、知的障害の特徴について簡単にまとめましょう。

A. 論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、学校での学習、および経験からの学習など、知的機能の欠陥(p17)

これは、一般の人がイメージしやすい知的障害の特徴なのではないでしょうか。周りの子と比べると理解が遅かったり、勉強についていくのが困難であったりということがあります。

 

わかりやすく説明しましょう。発達段階を確認するのにピアジェという発達心理学者が考えた「量の保存」というテストがあります。

 

量の保存 イラスト

絵のように、まず同じコップに同じ水だけ入れます。この状態だと、二つとも量は同じってことはわかりますよね。そのあと、一方のコップの水を細長いコップに入れます。そのあとで「どっちの水が多い?」と質問します。

 

答えは「同じ」ですよね。

 

周りの子ができている時期にできなかったりすると、思考の発達が遅れている可能性があります。このような思考の発達の遅れという特徴を知的障害は持っているのです。

 

B. 適応の機能の欠陥。継続的な支援がなければ…(p17)

これも大切なポイントです。実際の日常場面で、うまくいっていないことというのも知的障害の特徴となっています。後にも出てきますが、この「生活にうまく適応できていない」度合いや領域を測ることができる検査も考案されています。

 

C. 知的および適応の欠陥は、発達期の間に発症する。(p17)

原因はまだはっきりとわかっていませんが、知的障害は脳の何らかの異常によって生じていると考えられています。この点が、発達障害と同じカテゴリーに含まれる理由です。

 

欠陥欠陥。なんだかいい気持ちはしませんね。これはいわゆる辞書的な定義なので、固いものになっています。実際のところ、この欠陥の線引き・異常の線引きというものは専門家が「ええいやっ」と自分勝手に決めたものにすぎません。興味がある方はこちらの記事をご覧いただければと思います。

サイレントマジョリティと「障害」ー静かな境界線ー

2016.11.26

正常と異常の境界ー異常心理学からー

2017.02.05

 

一番大切なのは、この知的障害の診断が支援に生かされることです。支援に結びつかない診断に一円の価値もありません。診断は支援のためにあるのです。この点は絶対に忘れないでいただきたいです。

 

重症度の診断・用いられるテスト

知能検査 発達検査

知的障害は、軽度・中等度・重度の三つの重さに分けられます。重さによって、必要な支援の度合いが異なりますので、後に出てくるような専門的な機関での検査や面接が必要です。

現在よく用いられる検査をまとめてみました。こんな検査があるんだ〜程度に読み流しいただければと思います。

 

発達検査

発達検査は本質的に、知能検査とやりたいことは一緒です。発達検査の大きな特徴としては、その子がいわゆる「一般的な子」でいうと、どれぐらいの発達年齢になるかを計算できることです。例えば、実年齢が12歳で、発達年齢が6歳であるということもあります。

以下具体的な発達検査の例です。

 

新版K式発達検査2001

対象年齢|0歳〜成人

内容「姿勢・運動」「認知・適応」「言語・社会」の領域から、全体的な発達状態までを検査することができます。先ほど述べた発達年齢(相応年齢)を計算できます。

 

知能検査

知能検査の方が馴染みがあるかもしれません。知能検査ではIQ(発達検査ではDQ)が算出されます。IQというのは、その年齢の集団でその子の知能レベルがどのあたりに位置しているかを示すものです。このIQの得点によって、知的障害の重症度が別れたりもします。

以下具体的な知能検査です。

 

WISC-Ⅳ

対象年齢|5歳〜16歳11ヶ月

内容|もっとも一般的とも言える知能検査です。10の基本検査と、5の補助検査でできています。そこから、「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」という4つの領域の得点を算出できます。また、全体的な知能をIQで記述しています。

同じ系統で、成人向けのもの(対象年齢|16歳〜89歳)にWAIS-Ⅲがあります。二つを組み合わせることで、生涯に渡って検査に基づいた支援計画を立てることができます。

 

田中ビネー知能検査Ⅴ

対象年齢|2歳〜成人

内容|2歳〜13歳までは、「精神年齢」というその子の知能発達がどの年齢に相当するかを表す指標が計算できます。発達年齢と同じですね。児童相談所などの福祉施設では結構人気で、よく使われている印象です。

 

その他:Vineland 適応行動尺度

その他の検査として有名なものに、Vineland(バインランド)適応行動尺度というものがあります。この検査は、0歳から92歳を対象に実施できるもので、その人が生活にどれぐらい適応できているかを、コミュニケーション領域・日常スキル領域・社会性領域・運動スキル領域に分けて測定できるものです。その人の支援を考えるあたってとても大切な検査になっています。

 

どんな施設で診断・支援が受けられるの?

知的障害 相談

知的障害は診断を受けることで充実した(そうなっていると信じたいです)支援を受けることができます。そこで気になるのがいったいどこに行けば詳しい情報を手に入れられたり、診断を受けることができるのかですね。

 

知的障害かも?と思った時に役にたつ施設を以下にまとめておきました。

 

児童相談所

未成年の知的障害児(者)の検査を行っています。こちら参考に東京都の詳しい情報がまとまっているリンクを貼っておきます。

東京都児童相談センター・児童相談書|知的障害の判定について

 

子ども家庭センター(子育て支援センター)

とは言っても、いきなり判定を受けてもらおうとは思えないものです。そういった場合に、まずは気軽に相談できる子ども家庭センターに足を運ぶのをお勧めします。子ども家庭センター(通称:こかせん)は、一般的な育児から福祉の相談まで幅広く行っている施設です。

 

保健センターや自治体の福祉窓口

他にも保健センターや自治体の福祉窓口も、丁寧に案内してくれるのではないかと思います。特に、福祉窓口は、療育手帳(支援を受けるために必要なもの)を発行する際にお世話になると思うので、ぜひ一度調べてみてください。

 

知的障害者(児)の支援で目指されること

知的障害者(児) 支援

この記事の中で何度も書いているのですが、支援につながらない診断など無意味です。ましては、周りの人が「あいつは知的障害だ」というようなレッテルを貼り付けたり、陰口を叩くことは、本質を理解していない三流の人がすることです。みなさんはぜひそのような三流な人にならないようにしてください。

 

知的障害児(者)の支援は重症度によってまちまちなのでひとくくりには言えないのですが

 

生活の困り感をなくして、well-beingを目指すこと

 

それを目標としているのではないかと思います。幸せの形は人それぞれあります。知的障害に生まれたことを不幸だと思うのは、それまた三流がすることだと個人的には思います(もしかしたら日本の支援では不幸にならざるをえない人がいるかもしませんが)。

 

今まで関わりがなくて、興味がおありの方はお近くの公民館やボランティアセンターなどにボランティアの募集があると思うので、ぜひ応募してみてはいかがでしょうか?世界が広がる経験になると思います。

 

最後に

最後までお読みいただいてありがとうございました!これからもブログの記事をバリバリ書いていきたいと思うのでよろしくお願い致します。

 

知的障害に関する映画について昔、記事を書いたのでご興味ある方はこちらもご覧いただければ!

【レビュー】I am sam(アイアムサム)ー無条件の愛とは

2017.03.20
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