【注意欠如・多動性障害/ADHD】症状・診断・チェックテスト、支援に使える施設を解説

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こんにちは!大学院で臨床心理学を勉強しながら、心理学やメンタルヘルスについてのブログを書いていますひぐらしです。

 

このブログでは専門的な知識がない人でもわかりやすいように、精神障害(心の病)や発達障害の知識をまとめています。今回は「注意欠如・多動性障害(ADHD)」についてイラスト付きでわかりやすく説明していきたいと思います。

 

ADHDの症状(精神障害のマニュアル|DSMの基準)

 

発達障害を含む精神障害にはDSMという診断のためのマニュアルがあります。それを参考にして、注意欠如・多動性障害(以下、ADHD)の特徴について簡単にまとめましょう。

 

注意欠如・多動性障害は、Attention Deficit Hyperactivity Disorderの略でADHDと呼ばれています。こちらの方が馴染みのある方も多いと思うので、ADHDという言葉を使います。

 

A. 不注意および/または多動性-衝動性の持続的な様式で、機能または発達の妨げになっている(p30)

 

この「不注意」「多動性-衝動性」がADHDの特徴です。この2つのどちらもある場合もあれば、どちらかしかなくてもADHDにあたります。それでは順番に説明しましょう。

 

ADHDの不注意

ADHD 不注意

ここで説明する不注意の特徴を有している人を「のび太型」のADHDと言ったりします。なぜのび太型がというと、宿題をやってくるのを忘れたり、不注意でよくドジを踏んでしまうのび太くんに、このADHDの特徴がよく出ているからです。

 

  • 勉強や仕事、遊びや課題に長時間集中して取り組むことができない

授業に集中することができず、落書きをしたり立ち歩いたりしてしまったりします。また、遊んでいる時も1つのことに集中することが苦手なため、次々に別の遊びをしたりします。

 

  • 人を話を聞いている途中で、別のことに注意を移してしまったり、ぼーっとしてしまう

不注意なので、先ほどと同じく話を長く聞いているのが苦手で、特に気を散らすものがなくても、ぼーっとしてしまったりします。

僕もこの傾向があって、英語のリスニング問題の時によく苦労しています。あと、ちっちゃいころからぼーっとしているとよく言われていました。最初にあるイラストは幼き頃の僕を表しています笑

 

  • ルールを逸脱する

集中することができない結果なのですが、教室を立ち歩いたり順番を待てなかったりします。ルールが守れなくなってしまうのです。そうすると先生とトラブルになったり、友達と喧嘩になるときもあります。

 

  • 秩序立てて行うことが難しい

これはワーキングメモリの発達が阻害されていることによるとされています。ある目標に向かって、プランを立てて1つ1つコツコツやっていくことが苦手です。このような特徴があると、勉強とか学校がどんどん嫌いになっていきますよね。

 

  • 忘れ物や、置き忘れが多くある

これはそのままですね。大切なものを持ってくるのを忘れたり、傘を電車の中によく忘れてきたり、財布をどっかに置きっぱなしにして場所がわからなくなってしまいます。

 

  • 刺激にとても弱く気が散ってしまいやすい

自閉症スペクトラムと同じように、感覚の過敏さがあるともいわれています。ただでさえ集中力を保つことが苦手なのに、大きな音がする場所や、いろんなものがある場所で集中するのは本当に難しいです。

 

  • 大切な用事などを忘れてしまいやすい

周りの人が配慮できれば良いのですが、こうしたことを繰り返すと「あいつは何をやってもだめだ」「約束を忘れるなんて最低だ」というような人格攻撃に繋がってしまいます。

 

以上がADHDの不注意の特徴です。とは言っても上のはあくまで具体例なので、本当に人それぞれ現れ方は違うということは忘れないでほしいです。

 

ADHDの多動性ー衝動性

ADHD 衝動性 多動性

先ほどの不注意が「のび太型」なら、こちらの多動性ー衝動性を持つADHDの人は「ジャイアン型」と呼ばれたりします。すぐにかっとなって、怒り出してしまう特徴がADHDの人の特徴と重なっているためです。

 

  • いつも体のどこかしらが動いている

多動性ー衝動性の特徴は、「湧き上がってくるものを抑えられない感じ」です。

その衝動が抑えられず、じっとしていられないのです。なので、座っているにしろ、貧乏ゆすりしたり、頻繁に体制を変えたりしてしまいます。

 

  • 席に座っていられない

ずっと座って退屈だと動きたくなりますよね?そういう時は、我慢して座ってようと思えるものですが、ADHDの人はその衝動を抑えることができないので、立ち歩いたりしてしまうのです。

 

  • (小さい頃)やたらと高いところに登りたがる

なぜなのかわかりませんが、高いところに登りたがります。こういう子が結構多いですね。人は高いところをみると、登りたくなるのでしょうか?ADHDの子はそれを抑えられないのかもしれません。

 

  • 出し抜けに質問に答えたり、しゃべりすぎたりする

「答えがわかった!!」と思うと、その衝動を抑えられないので、質問が終わる前に答えてしまいます。また、「ねえ知ってる?!」という気持ちが強いと、べらべらとしゃべりすぎたりします。

 

  • 余計なちょっかいを出す

友達からしてみたら嫌ですが、本人としては衝動を抑えられないので、ついつい相手を怒らせたりちょっかいを出したくなってしまいます。

 

これも人により様々ですが、症状が激しい場合は暴力に繋がったりもするので、環境の調整が必要になります。

 

 

その他の特徴

ADHDは、知的障害・自閉症スペクトラム障害と同じカテゴリーにくくられています。理由は、何らかの脳の障害があると想定されているからです。つまり、親の養育が悪いからADHDになるとかそういうわけではないということです。

 

また、1つの環境だけでなく、2つ以上の環境で上に書いたようなADHDの症状が出ることが診断基準になっています。なぜかというと、普通の子でも苦手な状況だと落ち着かない状況になるからです。ADHDの子の困り感が強いのは、それが多くの状況でそうなってしまうところです。

 

重症度の診断・用いられるテスト

ADHD 診断

ADHDは、軽度・中等度・重度の三つの重さに分けられます。重さによって、必要な支援の度合いが異なりますので、詳しいアセスメントが必要です。しかし日本ではそこまでその重要性が広まっていないようです。

 

現在よく用いられる検査をまとめてみました。こんな検査があるんだ〜程度に読み流しいただければと思います。

 

本人や周りの人の気づき

ADHDは、6歳までなかなか気づかれないことがあります。それはルールに縛られた集団行動をあまりしないからです。

 

ではなぜそれ以降で気づかれやすくなるのでしょうか?小学校が始まるからです。

日本の小学校は、ADHDの子どもには苦痛極まりないです。あんながちがちの環境に乗れるはずがないのです。僕だって乗りたくない。

 

ということで、この時期になると立ち歩きや他の子どものトラブルで、「もしかして発達障害?」と気づかれることが多く、そこから専門機関につながることがあります。

 

チェックに使えるテスト

こちらのサイトにチェックに使えるテストや詳しい説明が載っています。もし、自分がADHDかも?子供がADHDかも?と思う方は、参照頂ければと思います。

【チェック診断】ADHD(注意欠如・多動症)とは? 子どもの症状・特徴と原因、治療・薬について解説

 

2次スクリーニング|専門機関で行うチェックテスト

病院で行う、ADHDかどうかを判別できる検査が2次スクリーニングです。以下3つ簡単に説明します。

 

ADHD-RS

5〜18歳までを対象としています。家庭版と学校版があります。日本ではまだ広まっていないので、この検査を受けれる機関はほとんどないと思います。

 

Conners3

コナーズという人が開発した質問紙(アンケートのようなものです)形式の検査です。だいたい1時間程度で結果が出るようになっています。

保護者用、教師用(2つとも対象は、6歳〜18歳)、本人用(8歳から18歳)の3つがあります。ADHDの特徴となっている、不注意や多動性・衝動性だけでなく、後に書いている精神障害の有無についても検査ができる優れものです。

 

CAARS

これまたコナーズさんが開発した検査です。Conners Adult ADHD Rating Scale(CAARS|かあず)です。これは、先ほどのConners3がカバーしていない、18歳以上の人向けです。本人が自分で書くタイプと、家族が書くタイプがあります。

 

ADHDの診断・評価

CAADID

ADHDの診断や細かい重症度の判別には、CAADIDという検査が使われます。これまたこれまた、コナーズさんが作った検査です。Conner’s Adult ADHD Diagnostic Interview for DSM-Ⅳ(CAADID|かあでぃっど)です。インタビューとついているように、面接で行う検査です。

対象は18歳以上です。症状や、本人の特性にあった支援計画を立てるのに重要な検査となっています。

 

ADHDと関連する問題

ADHD 並存 問題

ADHD自体の症状が大きくなくても、ADHDの特徴が様々な問題につながることがあります。そうならないためにも、早期から支援することが必要なのです。

 

その重要性を示すために、ADHDを見過ごしているとどんな問題が生じるか説明します。

 

自尊心の低下

最初にも書いたように、ADHDの子にとって、特に学校という場所は苦痛であることが多いです。座ってられないし、勉強になんか集中できない。

 

するとどうなるか。先生に怒られる、成績が悪くなる。自分は何もできなんだと思ってしまう。それは自尊心の低下を意味します。

自尊心が低くなると、次に書くような精神障害に繋がったり、非行などの問題に繋がりやすくなってしまいます。

 

うつ病などの精神障害

ADHDをきちんと支援できないと、うつ病や不安障害などの精神障害につながりやすくなります。実際、そこまでこじれてしまうと支援もなかなか入りづらくなったり、治療効果が出づらくなってしまいます。ここに早期支援の重要性が見えてくるわけです。

 

孤立・暴力・非行

その他にも、学校の生活にのれないと孤立していったり、同じようにルールから溢れた不良グループに勧誘されたりします。

また、もともとの衝動性に歯止めがかからず、暴力事件を起こしてしまう可能性もあります。

 

以上のことは、ADHDの子すべてにあてはまるわけではありませんし、危ない子=ADHDの子ではありません。伝えたいのは、きちんと支援に繋がらないとより大きな問題になってしまうということです。

 

発達障害(ADHD)の支援に利用できる施設

自閉症スペクトラム 相談

子ども家庭支援センター(子育て相談センター)

自閉スペクトラムとほとんど同じで、発達障害には役にたつ福祉施設があります。

子育てに不安を感じているときや、なんだか育てにくいなと思った時は、子ども家庭支援センター(通称こかせん)に足を運んでアドバイスをもらうのがいいでしょう。そこでもしかしたら、ADHDの可能性があるとわかるかもしれませんし、そこでもらえるアドバイスは子育てにきっと役に立ちます。

 

児童相談所

児童相談所では、発達障害の相談も行っています。そこで必要があれば、検査も受けられるとのことです。児童相談所もADHDの相談にとても役に立ちます。

 

発達障害者支援センター

大人の方で、自分がADHDかも?と思う方は、こちらの発達障害者支援センターにぜひ足を運んでみてください。ADHDを抱えて、苦労されながら生活されている方もいらっしゃると思います。一人で悩まずに専門家の人に相談するのが大切です。

 

最後に

この記事で一番伝えたかった大切なことは、ADHDは早期の支援が何よりも大切ということです。そのためには、子供持つ前からこうしたADHDなどの発達障害の知識をつけておくことが大切です。

 

ぜひ周りに困っている人がいたりした場合に、この記事をお役立ていただければと思います。

 

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