【ポジティブ心理学】心の病とwell-being:「障害」を抱えて幸せに生きる

スポンサーリンク

こんにちは!大学院で臨床心理学を勉強しながら、心理学やメンタルヘルスについてのブログを書いていますひぐらし(@psycholokorori1)です。

 

さて、今回はwell-beingに関する記事の第2回目です。そもそもwell-beingとは?と思う方はまずは、こちらの記事からご覧ください。

Well-being(ウェルビーイング)の訳と意味ーポジティブ心理学から

2017.08.17

 

誰もがなる可能性のある、心の病(精神障害)それを抱えながら幸せに生きることはできるのか。

 

できます

 

信頼できる文献なども参考にしながら説明してきたいと思います。

 

Well-beingと心の病(精神障害)

前回の記事で、well-beingとは、ざっくり言うと「幸せでいる状態」のことだと説明しました。マイナスでも0でもなく、プラスということですね。

そして、ただ単に心の病(精神障害)がない状態を指すわけではありません。むしろ、その二つは別次元のものとなっています。

 

以下で詳しく二つの関係を整理して生きたと思います。

 

Well-beingと心の病の関係

well-being

Well-beingと、心の病の強さはこのように、二つに交わる軸で書くことができます。すると、図のように4つの状態に分けることができますね。具体的に見ていきましょう。(こちらの論文からの引用です→Slade, M.  (2010). Mental illness and well-being: the central importance of positive psychology and recovery approaches, BMC Health Services Research, 10, 26)

 

1. 精神的に健康で幸せ

心の病がほとんどなく、さらに自分がやりたいことや実りある仕事ができているようなwell-beingな状態です。

多くの人にとっては、この状態が一番理想的な状態に見えるのではないでしょうか。僕の中では、この1と3は優劣つけがたいなと思います。その理由は、「3. 心の病があっても幸せ」で説明したいと思います。

 

2. 精神的には健康だけど幸せじゃない

もしかしたら、この記事を読んでいる人の中にはこの状態の人がいるかもしれません。

うつ病とか発達障害などの問題がないけど、普段の生活がなんとなく流れてしまう。自分がやりたいことができていないという状態です。

 

この状態にいる人は、心の病になるリスクが高いと言われています。よく、心の病になることを「崖から落ちる」という風に比喩するのですが、この「2. 精神的には健康だけど幸せじゃない」は崖に近い側にいるということになります。

それに対して、最初に説明した「1. 精神的に健康で幸せ」は崖から遠い場所にいます。図にするとこんな感じですね。

 

well-being

 

「2.精神的には健康だけど幸せじゃない」に当てはまる人は気をつけなくてはいけません。

 

3. 心の病があっても幸せ

心の病があっても幸せ。これは両立できるものです。世の中には、こうした方がたくさんいらっしゃいます。そうした当事者の方もブログを書いたりしていますね。症状が残っていても、自分のやりたいことをやりたいようにしている人をたくさん知っています。

 

さて、これと「1. 精神的に健康で幸せ」はどちらが良いか。僕は別次元だと思っています。

 

なぜなら、心の病を経験したり、回復することは「別の世界への扉をノックする」ことだからです。

 

心の病を経験することによって、辛い人の立場に立とうと思えるようになったり、自分の限界と強みに気づけるようになることは多くあります。月並みな言い方になってしまいますが「人は挫折を通じて成長できる」ということがあるのです。あなたもそうした経験をしたことはあるのではないでしょうか?

 

先ほどの崖の図で書くとこんな感じなると思います。

 

well-being

 

一度崖から落ちて見つけた場所は、昔自分が感じていた世界とは違って見えることもあります。また、自分が見つけたその居場所で綺麗な花を見つけるかもしれません。

 

これって、すごくwell-beingな生き方じゃないでしょうか?

 

「心の病になったからおしまい。幸せにはなれない」と考えるのは悲観的すぎます。心の病が新しいwell-being=幸せへの扉になることもあるのです。

 

4. 心の病があり幸せじゃない

これが、僕が将来目指している心理職の方や、お医者さん・看護師さんなどが主に向き合う人たちです。心の病があることによって、生活の多くの邪魔されている状態です。

このような方の支援でどのようなことを目指せば良いか、それを次に述べていきたいと思います。

 

Well-beingな状態と支援者が目指すべきもの

well-being

Well-beingな状態は、この図のオレンジで囲った部分です。支援者はこの目標に向かって、支援をすべきです。

 

今まで「4. 心の病があり幸せじゃない」という方を、「2. 精神的に健康だけど幸せじゃない」という状態にしようと頑張ってきました。心の病の症状をなくしていこうとしたわけです。

 

しかし、それで生まれたのは「空っぽの人間だった」とある有名な臨床心理士は語ります。自分が生きていく意味も自分の強みもわからないような空っぽの人を作り出す。そしてそうした人は再び、心の病を発症してしまう。

 

そこで、心の病の支援が変わってきたわけです。「Well-beingを目指そう」という動きが出てきたのですね。「1. 精神的に健康で幸せ」「3. 心の病があっても幸せ」という二つの状態を目指していく。この方法を研究する心理学の分野は、ポジティブ心理学と呼ばれています。

 

 

時に、心の病は「障害」として、完全に治癒できないことがあります。その人のが抱えるものとして「障害」が残るということです。そうした場合に、その「障害」を抱えてどのように豊かに生きるかということが「障害者支援」においてとても大切なことになります。

 

 

僕自身、これから支援者として勉強を経験を積んでいく身なので、今日書いたことを自戒として心に刻んでおきたいと思います。

 

そして、今現在心の病に苦しんでいる人にとって、この記事が少しでも勇気をあげられるようなものになれればとても嬉しいです。ぜひ、自分らしい生き方をしていただければと思います。パソコンの向こう側で応援しています。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!この記事で書いた内容について興味がある方はこちらの本も読んでみてください〜

スポンサーリンク